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うつ状態の家族との接し方





「全身が油の切れてしまった機械のよう」「生きるエネルギーがすべてなくなってしまったみたい」「起きる、着替えるなど、普通の行動をするのも100キロの重りがついてる感じ」など表現は様々ですが、うつ病のつらさは、かかった人でなければわからないといわれています。
家族や身近な人にうつ病になった場合、1日でも早い回復を願いますが、その時大切なのは、必ず直る病気なのだと信じ、本人とともに治療に取り組むことにあります。本人が「治りたい」と思うことが何より大切ですが、「治るわけがない」と思う本人に、「絶対に治る」と繰り返す家族の力は大変重要なのです。



本人が専門の病院やクリニックを訪れることが理想ですが、うつ状態の人は思考力が低下していたり、認めたくない気持ちが先にたって受診にいたらないことが多いものです。その際は、家族が同伴で受診するとよいでしょう。家族が診断結果を一緒に聞くことによって、集中力の低下した本人では聞き逃してしまうことの防止になるだけでなく、一緒に聞くことでうつ病への理解が深まります。もし精神科の受診が上手くいかないなら、かかりつけ医や精神保健センター、NPO団体などの相談窓口を活用してみるのもよいでしょう。



うつ病の治療には、家族や職場の人たちの理解と協力がとても大切です。本人は怠けているのではなく、本当につらいのです。ストレスとなっている要因から遠ざけるために、ゆっくり休養させるようにしてください。うつ病になってしまった人は、意識が低下し、外を恐れたり、何をするのもおっくうになっている可能性があります。つらそうなら一緒に通院したり、送り迎えもしてあげてください。うつ病は、怠けなどではなく、れっきとした病気であることを理解し、愛情をもって支えてあげてください。またうつ病の人と接する際には、次のことに注意しましょう。

はげましは逆効果。温かく見守る
“がんばりたくてもがんばれない”これがうつ病になってしまった人の悩みです。そのため「がんばって」という、はげましの言葉は、かえって本人を追いつめます。温かく見守ってあげることが何よりもはげましになります。

考えや決断を求めることはしない
うつ病の人に決断を迫ることはなるべく避けます。ご飯など日常生活のことでも「今日はカレーにしようか」など、こちらから提案し、考えたり決断することをさせないようにします。

とにかくゆっくり休ませる
まずはゆっくり休ませて、本人のこころやからだに溜まった疲れをとってあげるようにします。

重要な決定は先のばしにする
決断力が鈍り、優柔不断になっている人に「仕事を休職するかどうか」と、大きな決断を迫るのは酷です。自分で決断できるようになるまでゆっくり待つようにします。

家事など、日常生活上の負担を減らす
まじめで責任感の強いタイプの「うつ」な人は、病状が悪くても無理して家事などをしようとします。なるべく家族の方が家事などの負担は減らし、ゆったりできるようにしてあげます。

できるだけ通院に付き添い、受診に同席する
医師により多くの情報を正確に伝えるためにも、家族やまわりの方は、できるだけ受診に同席を。医師の説明を本人と一緒に聞くことで、うつ病への理解が深まります。

きちんと薬を飲むように気をつける
症状の軽減や薬の副作用への不安から、自己判断で薬をやめてしまうことがあります。このような場合、回復を遅らせてしまうので、薬の服用を続けるようにまわりの人がサポートしてあげてください。




精神療法とは、本人が治療者に自分が抱えている問題を語り、何が原因になっているのかを、本人が考えていく治療法です。うつ病の人は「自分は弱いからうつ病になった」「自分は抗うつ薬なしでは生きていけない」などと、自分を責めてしまいます。治療者は、そんな本人の考えを整理し、解釈して伝えます。本人は、そのやりとりの中で、もっと柔軟な考え方を見つけだしていき、マイナス思考を変えていく治療です。精神療法というと、何か特別な治療法のように感じますが、薬物療法と組み合わせて行われている治療法であり、「主治医の顔を見るだけで安心する」というのは精神療法によって形づくられた信頼関係があってこそなのです。




カウンセリングとは、本人が治療者を訪れて、精神的な援助を受け、それまで気づいていなかった自分の問題点に向き合い、克服できるよう人間的な成長を促すことを目的に行われます。治療者は問題に対するアドバイスはせず、話に共感しながら、心理的な援助を行います。カウンセリングは、広く悩みを持つ人々に用いられますが、治療のグラウンドづくりとしての役割が大きく、医療としての精神療法とは、目的が異なることが多いのです。
カウンセリングは、医師の指示のもと臨床心理士がおこなうこととされています。
専門医療機関との連携や、そこで紹介されたカウンセラー(心理療法士等)による治療をおすすめします。予約が必要なクリニックの場合は、予めご確認ください。